じゃがいもの育成において、「芽かき」は収量や品質に大きく影響する重要な作業です。芽かきを実施することで、余分な茎や葉が取り除かれ、栄養やエネルギーが主に塊茎(じゃがいもの実)に向かいやすくなります。一方、芽かきを行わないと、苗全体が茎や葉に栄養を奪われ、収量の低下や品質のばらつきが生じる可能性があります。今回は、植え付けから約3~4週間、草丈が約20cmになったタイミングでの実施方法、実施後の作業、そして注意点について詳しく解説します。
じゃがいも、めっちゃ芽かきした。#家庭菜園#ゆーじファーム pic.twitter.com/piTu2G8l7u
— ポンコツPdM(絶対-5.0kg🐖) (@SE9499860219087) April 2, 2025
1. じゃがいも芽かきの重要性
栄養の集中化と収量向上
- 効果:芽かきを行うことで、余分な葉や茎への栄養分の分散を防ぎ、じゃがいもの塊茎に栄養が集中します。これにより、実際の収量が向上し、品質の均一性が保たれやすくなります。
- 未実施の場合:芽かきを行わないと、苗全体に余計なエネルギーが使われ、成長が不均一になったり、塊茎の発達が不十分になったりする可能性があります。
病害リスクの軽減
- 効果:適切な芽かきを行うことで、密集した葉の間に通気性が生まれ、病気の原因となる湿気やカビの発生リスクを低減できます。
2. 実施タイミングと方法
実施タイミング
- 目安:植え付けから約3~4週間後、苗の草丈が約20cmになった頃が最適です。
このタイミングは、まだ若い苗でありながら、すでに余分な芽が出始め、栄養の分散を防ぐための芽かきの効果が十分に期待できる時期です。
以下のような感じになってきた時です。多くの苗が土から生えてきて、若干混み合っています。


実施方法
- 作業前の準備
- 手が清潔な状態で作業を始めます。他の野菜を触った手でそのままやるのは、病気をうつすリスクがあり危険です。
- 天候が穏やかで作業しやすい日を選びましょう。
- 不要な芽の選別
- 各株ごとに、主幹から伸びる側枝や過剰に伸びた細い芽を選び、根元から丁寧に切り落とします。
- 残すべきは、健全な成長を促すための基幹部分のみです。
土から苗がたくさん出ています。この中から以下の条件で2〜3本の苗を残して抜いていきます。
- 細いもの
- 混み合っているところ

土から出ているところを切るのではなく、土の中の根本から抜くようにしましょう。

3. 実施後の作業とフォローアップ
成長観察と追肥
- 観察:芽かき後は、苗の生育状況を定期的にチェックします。健康な葉の状態や、塊茎の形成が始まる兆候を確認してください。
- 追肥:芽かきによって集中された栄養が、より効率的に塊茎に使われるよう、適宜追肥を行います。通常、芽かき後1週間ほどしてから、軽い追肥を始めると良いでしょう。
水やりと管理
- 水やり:芽かき後は苗にストレスがかからないよう、十分な水やりが必要です。特に乾燥が続く場合は、根元にしっかりと水を与え、土壌の乾燥を防ぎます。
- 通気性の維持:芽かき作業によって間引かれた部分が風通しを改善するため、作業後も適度な風通しを確保して、病害発生のリスクを低減しましょう。
4. 実施時の注意点
過度な芽かきの回避
- 注意点:必要な葉や枝まで切り落としてしまうと、光合成能力が低下し、苗の成長に悪影響を及ぼす恐れがあります。適度なバランスを保ちながら行うことが重要です。
切断面の消毒
- 感染防止:切断面が雑菌に感染しないよう、作業前後に消毒を徹底し、清潔な道具を使用することが求められます。
天候の確認
- 作業日選び:風が強すぎたり、雨が降る直前は作業に適していません。天候の安定した日を選び、作業中の急激な温度変化に注意しましょう。
5. まとめ
【超重要】じゃがいも芽かきは、植え付け後3~4週間、苗の草丈が約20cmになったタイミングで実施するのが理想です。
この作業により、余分な芽を除去して栄養を塊茎に集中させ、収量や品質の向上、通気性の改善、そして病害リスクの低減が期待できます。
作業後は追肥や水やり、切断面の消毒といったフォローアップをしっかり行い、健康な苗育成をサポートしましょう。
注意点としては、過度な芽かきを避け、必要な葉を残すバランスを保つことが大切です。
これからじゃがいも栽培に挑戦する皆さんは、適切なタイミングと方法で芽かきを行い、豊かな収穫を目指してください!
ちなみに、芽かきして抜いた苗は、畝を作って植えておくとそちらからも少し小さめのじゃがいもが取れます。
畑にスペースのある方は実施してみてください。
