ナス・ピーマンのセルトレイ育苗と鉢上げ
家庭菜園初心者のための完全ガイド(神奈川版)
「種をまいてから何日で鉢上げ? 定植はいつ?」――そんな疑問に答えるため、関東(特に神奈川)の気候を前提にセル育苗のコツをまとめました。まずは全体のスケジュール感を表でざっくり掴んでから、各ステップを詳しく見ていきましょう。
1. 種まきから定植までのタイムライン
ステージ | 種まきからの目安日数 | カレンダー例(3 / 1播種) | ポイント |
---|---|---|---|
種まき | 0日 | 3 / 1 | セルトレイに播種し、25–30 ℃で保温 |
発芽 | 7–14日 | 3 / 8–3 / 15 | 嫌光性なので覆土1 cm、発芽後は日に当てる |
本葉2–3枚(鉢上げ適期) | 25–35日 | 3 / 26–4 / 5 | 9 cmポットへ移植してスペース確保 |
ポット育苗(順化期間) | +30–40日 | 4 / 上旬–5 / 上旬 | 日中は屋外で慣らし、夜は10 ℃以上確保 |
定植(本葉7–8枚) | 60–75日 | 4 / 30–5 / 15 | 遅霜が消える頃、株間40–50 cmで植え付け |
ワンポイント: 早播きしても気温が低いと生育が遅れます。初心者は3月上旬播種・5月頭定植が失敗しにくいです。
2. セルトレイ育苗のメリットと注意点
2-1. メリット
- 省スペースで大量育苗:128穴ならA4サイズ程度で百株近く管理可能。
- 根が絡まないので鉢上げ時のダメージが小さく活着が早い。
- 間引き・選抜が簡単:セルごとに1本にするだけで徒長防止。
2-2. デメリット
- 土量が少なく乾燥しやすい:晴れた日は半日でカラカラ。
- 肥料切れが早い:本葉が出たら液肥でフォロー。
- 長期育苗には不向き:根巻き前に25–35日でポットへ。
3. 種まきのコツ
3-1. 適期(神奈川)
- 3月上旬播種でゴールデンウィーク定植が基本。
- 暖房設備があれば2月中旬スタートも可能だが管理難度UP。
3-2. 用土と覆土
- 市販の種まき培土を十分湿らせて転用(握って団子→崩れる程度)。
- 肥料はごく少量でOK。播種後1 cm覆土し軽く鎮圧。
3-3. 発芽温度と保湿
- 地温25–30 ℃が理想。発泡スチロール箱+毛布や育苗マットで保温。
- ラップやドームで加湿しつつ毎日換気してカビ防止。
4. 発芽後の管理
4-1. 光と温度
- 発芽直後から日なたに。窓辺+LEDライト併用で徒長防止。
- **昼25 ℃前後/夜15–20 ℃**を目標に。夜冷える日は屋内退避。
4-2. 水分と間引き
- 表面が乾いたら霧吹き→底面給水で根を張らせる。
- 本葉1–2枚で2本ならハサミで1本間引く。
5. 鉢上げ(ポット上げ)
5-1. 適期と準備
- **本葉2–3枚(播種後25–35日)**が目安。
- 9 cmポリポットに湿らせた培養土を8分目。中央に穴を作る。
5-2. 移植手順
- セルトレイごと十分吸水。
- 底穴から押して苗を抜く。
- 茎元が土面に来る深さで植え、隙間に土を足して固定。
- 鉢底から流れるまで潅水。初日は半日蔭で休ませる。
6. ポット育苗と順化
- 液肥2000倍を週1で葉色をキープ。
- 日中は屋外直射日光に30分→1時間→半日…と徐々に順化。
- 夜間10 ℃を下回る日は不織布や屋内で保温。
7. 定植(植え付け)
7-1. 時期
- 神奈川平野部で4月下旬〜5月上旬。
- 本葉7–8枚・茎が鉛筆太ならOK。
7-2. 土作りと植え穴
- 2週間前までに苦土石灰、1週間前に堆肥+元肥で耕す。
- 株間40–50 cm、ポット土面が畑土面と揃う深さで植え付け。
- 植後たっぷり潅水し、支柱で倒伏防止。
防寒テク:早植え時は黒マルチで地温UP、トンネルで夜冷え対策を。
8. まとめ
- セル育苗→25–35日で鉢上げ→60–75日で定植が基本サイクル。
- 水・温度・光の三要素をバランス良く管理すれば、丈夫な苗が完成。
- 苗づくり成功=収穫半分達成! あとは追肥と水管理で夏の実りを楽しみましょう。
参考: タキイ種苗・サカタのタネ技術資料/農業資材メーカー解説/家庭菜園ブログの実践記録 ほか。