前回の記事(固形微生物資材のおすすめ:こちら)では、どんな資材を使うべきかを紹介しました。 今回はその続きとして、実際に微生物資材をどう使えば土が変わるのか、具体的な方法を解説します。
家庭菜園で「微生物資材をどう使えばいいかわからない」という声はよくあります。 実際、堆肥や石灰のように単純な“入れるだけ”ではなく、 土の状態 × 作付け計画 × 季節によって最適な使い方が変わるからです。
この記事では、 ・どんな効果があるのか ・いつ使うのが最も効率的なのか ・家庭菜園での具体的な手順 を、実際に15aの畑で使ってきた経験をもとにまとめます。
この記事の内容
■ 微生物資材の効果とは何か
微生物資材の効果は、「土をフカフカにする」や「根張りがよくなる」といった表現で語られがちですが、正確にはもっと根本的な働きをしています。
- 団粒構造をつくり、水はけと保水のバランスを改善する
- 根が伸びやすい“空気の通る土”をつくる
- 連作障害の原因菌を抑制し、土壌環境を整える
- 有機物の分解を進め、栄養を吸収しやすい形に変える
- 肥料の効きを安定させる
つまり、微生物資材は “土台としての土を健康な状態に戻す”ための資材です。
微生物資材のおすすめは以下の記事で紹介しています。
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【決定版】これで間違いない。固形微生物資材2選
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■ 微生物資材を使うべきタイミングは3つだけ
家庭菜園での最適な投入タイミングは、次の3つです。
- ① 深耕・土づくりの直後(冬〜早春)
→ 土全体の微生物環境を整える最重要ポイント。 - ② 畝立て前(春の準備時期)
→ 作付けする品目に合わせて畝の地力を整える。 - ③ 定植1〜2週間前
→ 初期生育の立ち上がりを安定させる。
とくに①は必須。 微生物資材の効果を最大限に活かすなら、この時期の投入が最も重要です。
■ 具体的な使い方(実際の畑での流れ)
① 深耕後に全体へ混ぜ込む(最も重要)
深耕(20〜30cm)して固い層を崩し、空気を含ませたタイミングで微生物資材を入れると、 新鮮な酸素と有機物を使って一気に増殖します。
- 畑全体に均一に撒く
- 軽く混ぜ込む(深さ10〜15cm程度)
- すぐに畝立てせず、1〜2週間寝かせると◎
この段階で入れておくと、春の立ち上がりが段違いです。
② 春の畝立て前に“畝ごと”に入れる
作付けする野菜に合わせて、畝ごとに微生物資材を追加する方法です。 例えば、トマトやナスなど根が深く張る作物は、条間・株間に入れると根の入り方が変わります。
- 1畝あたり一握り〜カップ1杯を目安
- 浅めに混和すればOK(深く入れすぎなくてよい)
③ 定植1〜2週間前にスポットで入れる
苗の植え付け前に「苗の根が伸びる場所だけ」微生物資材を追加する方法。 初期生育の安定、根張りの強化に直結します。
- 植え穴に少量入れて軽く混ぜる
- もしくは株間にパラパラと撒く
広い畑でも使いやすいのがこの方法です。
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微生物資材は難しそうに見えて、使い方さえ理解すれば 「土が変わる」ことを実感できる資材です。